やっと授かった子だというのに。
皆に愛され生まれてきたというのに。
尊き命だというのに。



どうして生れ落ちたその日にその命の尽きる日まで決められなければならないのか。



お妃様は泣き崩れてしまいました。
その場にいた誰もが痛ましい顔をしながら黙ってその様子を見つめていることしかできません。

そんななんとも言えない空気の中、二人の魔女がお妃様の前に進み出てきました。




「大丈夫ですお妃様、まだわたし達の贈り物が残っています」




懸命に一人の魔女がお妃様に向かって言葉を掛けました。




「あの魔女の魔法を消すことはできませんが、しかし捻じ曲げることくらいならできると思うんです」



そういいながらその魔女は杖を一振りしました。




「お姫様は確かに糸車に指を刺され倒れてしまわれます。
 しかしそれは眠りにつくだけです。いずれ姫様の前に現れた王子様のキスによってお目覚めになるでしょう」




暖かな光が姫を包みました。
そして最後の魔女も姫の前に進み出て、にっこりと微笑みました。




「ではわたしからも、姫様に贈り物を            ・・・」




そして杖を一振り。
姫の体は再び温かい光に包まれました。