「お〜い、早く来いよ二人とも」




山の奥深く、明るい声が響き渡った。
輝くような金の少女が進行方向とは逆の方向え向けて手をぶんぶんと振っている。
そのあとを少し遅れるようにして紺の髪をした少年が少女の前まで駆けてきた。



「おっアスランやっときたか」



「「おっ」じゃないだろカガリ!急に走り出すなよっ」



急いで駆けてきたのだろう、軽く息が乱れている。
そんな少年に少女はまぁいいじゃないかと笑って彼の肩を叩いた。
そしてアスランの来た道を伺い見ながら口を開く。




「キラはまだか?」


「あぁ、だいぶん下でへばってた」


「情けないなぁ」


「あいつは根っからのインドア派だからな」




遠くから「カガリ〜、アスラン〜、ちょっとまってよぉ」という情けない声が響く。
カガリは軽く思案してからアスランの腕をつかんだ。
そして再び坂を上り始める。




「ちょっ、カガリ、キラは?」


「此処までこれそうにないし、頂上まで行って折り返してそのとき拾おう」




なんだか扱いがひどい。

そう心の中で同情しながら止まる気のないであろう目の前の少女に合わせて歩く。
しばらくするとキラの声も聞こえなくなって、この空間に二人しかいないような感覚に包まれる。
自分の手をつかんでいる彼女のてのやわらかさに鼓動が強く波立ってドキドキと音を鳴らす。

バテながらも懸命に追いつこうとしている親友には悪いと思ったが、しばらくこのままでいたいと思いながらアスランは足を進めた。