「なんでだよっ」


「だからさっきから何回も言ってるでしょ?」




毎年必ず一緒に訪れていた両親の墓参りには、どうやら今年は二人で行けそうにないと
告げたことから、すべてが動き出した。






















ミラクル☆トゥウィンズ  〜事の始まり〜



























こんがりと狐色に焼けたトースト。

ほんわり暖められたミルク。

いつもとなんら変わらない朝食の光景。





ただ一つ違うとしたら・・・・。




それは目の前に座る自分の片割れが、この上なくご機嫌斜めであることだけだろう。
まぁ、それは自分の発言に因るものなのだけれど。
















「約束なのに」





ポツリと。
先ほどまで威勢良く怒鳴り散らしていた彼女が急に静かになって俯いてしまった。
そしていよいよ目に涙を浮かべはじめる片割れに、なんとも居た堪れない気持ちになってくる。








「しかたないよ、僕の分も父さん達と話してきて。ね、カガリ」





そう優しく宥めてみるがカガリは無言のまま何の反応もかえしてこない。

いったいどうしたものか。
本当なら自分だって嫌なのだ。
けれど、こればっかりはどうしようもない。







「っ二人で行かなきゃ意味ないじゃないか!!」








いつの間に朝食を食べ終えたのか、カガリは叫ぶなり勢いよく席を立って部屋に閉じ
こもってしまった。



















片割れの去って行った方を見つめながら溜息をつく。

自分だって行きたいのは山々なのだ。




入学してはじめて知った学園制度。

友人と共に入学した「月通り学園」ではとんでもない話が待っていた。
「月通り学園」は学力、運動力、どちらにも力をいれているらしく、入学してすぐ行わ
るスポーツテストで一定の成績をとらなければ、夏休みに開かれる強化合宿に参加しな
ければならないらしい。

運動系がまったく駄目な自分はまず間違いなく確定だろう。
友人に泣きつくも、下調べをさぼっていたのだから自業自得だと軽くあしらわれてしまった。



どうにかしたくても、あと二,三日でスポーツ神経万能になれるわけがない。







≪・・・・カガリの分からず屋≫




片割れの去っていったドアを軽く睨みながら思う。









≪分からず屋で悪かったな!!キラの馬鹿っ≫








頭がキンとするほど強く思考がぶつけられてきた。

・・・・・どうやら無意識に伝えてしまっていたらしい。
これでいっそう彼女の機嫌が悪くなってしまった。






けれど原因が原因なだけに「我侭を言うな」とカガリを怒ることはできない。
どうすればカガリの機嫌を直すことができるだろうか。
試行錯誤していると、扉が勢いよく開かれた。
目にしたのは先ほどまで怒っていた片割れが、極上の笑みを掲げて立っている姿。





「キラっ、あれやろう!」